円筒分水かわうそ探検隊

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小倉南区の円筒分水(福岡県北九州市)

車だと気づかないで通り過ぎてしまいそうな円筒分水

小倉南区の幹線の一つ、国道322号は桜橋で紫川を越える時に中央分離帯を挟む形で上り/下りの片側2車線ずつに分かれ、渡り切るとまだ合流し両方向計4車線の道路として続きます。

この中央分離帯の紫川北側(右岸)徳力側に円筒分水があります。金網に囲まれ水の位置も低いので、流水が多い時期を除いて音も静か、とても気づかれなさそうな佇まいです。

水源は近くの紫川。取水堰堤があり、引きこんで暗渠の先で垂直に落としてサイフォンで円筒分水にあげる形です。

用水は全周溢流式形で流し3方向に分水。国道322号の東側に1つ西側に2つの分水口があります。見学時は田植え準備前でほとんど注水しておらず、魚が泳いでました。

但し分水の為の仕切りは低く、徳力、南方地区が一面の水田だったころに比べる農地が減って厳密に分水する必要性がなくなって来たのかもしれません。

国土地理院の地図で1975年(昭和50年)と現在のものを比べて見ると市街化が進んだのがわかります。

【1975年(昭和50年)】たんぼがたくさん

【現在】上と比べて田んぼが住宅地に変わってますね。

 

 

とはいえ、北九州市農業が盛んな地域と言えば、東西2地区。

畑作が盛んで市内最大の園芸作地域の西の若松区、そして東は小倉南区・紫川周辺地。水稲作に園芸作(主に野菜)を加えた複合経営が盛んです。とても重要な役目を果たしている円筒分水です。

お米は福岡県オリジナル米『夢つくし』ですね。「コシヒカリ」の良質な味わいと、「キヌヒカリ」の高い耐倒伏性という、双方の良い部分を掛け合わせたもの。

園芸作ではビニールハウスなどの施設栽培での野菜(しゅんぎく、ほうれんそう、こまつな等)やトマトなど、露地栽培では夏のなす、冬のかつお菜等の栽培が盛んです。また有名なのは「合馬たけのこ」、そして「大葉春菊」

通常の春菊は菊の葉のようなキザミがありますが大葉しゅんぎくは葉先が丸い点が目印。苦味が少なくので、フグ鍋や汁物、サラダなにも向いています。

訪ねた5月は丁度『紫川こいのぼりまつり』の真っただ中。650匹ものこいのぼりが紫川の川の上を泳ぎます。長行・広徳・長尾・徳力の自治連合が協力をして全て寄付で運営しているそうです。すごいですね。しばし「小嵐山」の景色をみながらぼーっとしてしまいました。

ぼうっとしてると堰堤の魚道の端に人影が見えました。見ると3人の若者が網を持って川の中を探っています。声をかけると大学生で、中国地方から遠征して水中生物を探しているととのこと。自然に関心がある若者に会えて嬉しくなりました。しばらく様子をながめていたらお目当ての生き物が見つからなかったのか「それじゃ僕たちは失礼します〜」と挨拶され川の対岸へ向かいました。

こいのぼりを眺めてふと、大学生が向かった方向に目を向けたら、もう3人の姿が見えません。胴長も着ていたし素早く動けるような水量ではないはずなのに影も形もありません。心配になりキョロキョロ見回したけれど流された様子もなく、向こう岸の土手にいる人も誰も騒いでいません。その後ニュースにもなっていなかったしはて?ひょっとして河童とかだったのでしょうか。

データ

名称:小倉南区の円筒分水
住所:福岡県北九州市小倉南区徳力
方式:全周溢流式
水源:紫川
用水:3方向、徳力、南方地区
竣工:1960年代後半?
管理:

 

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