円筒分水かわうそ探検隊

円筒分水を訪問している記録です。ツイッターやインスタの Kawausobunsuiをフォロー頂くとアップデート時にご案内が流れます!

天神野円筒分水工 (鳥取県倉吉市)

5方向の分水のデザインが特徴の円筒分水

鳥取が誇る2つの円筒分水の内のひとつ(これからもっと発見されるかもですが)。

狼谷ため池からの水を近くで地下4.2mまで落としサイフォンで上げて溢水させています。この円筒分水はキュートな5方向の水の出口を持つ形。と言っても地上からはよくわからないので、ドローンを飛ばしてみました。

youtu.be

ゲゲゲの鬼太郎のお父さん!

目玉おやじ」が現れました。ゲゲゲの鬼太郎の作者水木しげるさんは同じ鳥取県の境港のご出身。この倉吉から車で1時間半です。お時間があれば町中で妖怪に合える境港訪問はいかがでしょうか。⇒水木しげる記念館

説明板には水源の狼谷ため池は別名「大山池」。大山が水面に映ってきれいなんだそうです。今回はいけませんでした。次回行ってみたいです。

円分水工で5つに分けられた水は関金町の農地を潤しています。

関金天神野・真野原台地は大山の東方にある広大な台地ですが、水源がなく草木の茂る雑木林でした。土壌は大山火山灰による黒ボク土に深く覆われていました。
 そこで先人達が開田に立ちあがり、この地区天神野台地に 350ha、真野原に 100ha の美田を造成しました。この水田土壌は腐植層が厚い多湿黒ボク土である。地区内には、多くの溜池が造成されています。

お米はこしひかり、ひとめぼれ、きぬむすめなど。果物ではすいかが有名です。

倉吉すいかのPRサイト【公式】

歴史

鳥取の秀峰大山の裾野に広がる台地の東、関金町倉吉市にまたがって天神野台地があります。この広大な大地は明治末期まで、草木の生い茂る雑木林でしたが、山根愛吉によって 3000ha の水田に生まれ変わりました。それまでの天神野は日当たりの良い場所に桑畑や柿畑があるくらいで、ほとんどが荒れ地でした。そこで、愛吉は七平ケ平(ひちこくがなる)の谷間をせき止めてため池を作ることを思い立ち、鳥取県庁へ相談したところ、大正 2 年(1913)松崎技師がため池を作って、天神野全体を開墾して水田にする提案をしました。

 こうして、小鴨川の水をせき止めて明高(みょうこう)付近から引き入れ、途中にいくつかのため池を造り水田とする天神野耕地整理組合が作られました。しかし、開墾作業は難工事で、計画よりも多くの水を必要としました。 

 大正 10 年、益田伝吉の組合長の下で開墾計画は立て直され、翌年から狼谷(おおかみだに) ため池の工事が始まり、13 年に完成しました。天神野への入植は大正10 年から地元の人以外に西伯郡や気高郡、八頭郡など、県内各地から集まってきて始まりました。 

 天神野一帯をまかなう灌漑用ため池「狼谷ため池」は、昭和 18 年(1943)から 3 年の歳月をかけて、現在のような規模にまで拡張されました。最大貯水量 132 万トンは天神野区域にある 8 つのため池の中で最も大きく、農業用ため池としては県内一の規模です。この堤防から眺めると水面に大山が逆さに映るため、誰ともなく「大山池」と呼ぶようになったということです。

 この狼谷ため池からの用水を 5 つの水路に分けるために、昭和 43 年(1968)に建設されたのが円筒分水工です。この分水工は 2 つの円形の壁によって区切られており、直径が内側 5.0 m、外側 11.5 m、そして最外壁が 14.4m です。用水は分水工手前で地下 4.2 mのところを管によって横断し、分水工内壁の中心に吹き上げます。内側の壁からあふれ出た水は、外側の壁と最外周の壁との間を区切る分水隔壁によって 5 水路にわかれます。それぞれが決められた配分比率で用水が分かれるように配置されており、これによって地域の水をめぐる争いは解消されました。

データ

名称:天神野円筒分水工
住所:鳥取県倉吉市関金町大鳥居1229
方式:全周溢流式
サイズ:内径5m、内円筒11.5m、外円筒14.4m
水源:狼谷ため池(大山池)
用水・分配: 5
竣工:1968年(昭和43年)
管理者:天神野土地改良区
リンク:

何百年の水げんかをなくした天神野分水工:農林水産省

#鳥取 #鳥取県 #倉吉 #倉吉市 #天神野 #天神野分水工 #狼谷溜池 #大山池 #大山 #東大山鳥居 #円筒分水 #円形分水