【山田堰】
大分・日田から福岡・朝倉の円筒分水に向かう途中、筑後川の山田堰、そしてそこからの堀川用水路と三連水車を訪ねました。円筒分水はありませんが山田堰は前から見たかった場所で念願かないました。
(左)対岸側に中舟通し、南舟通しが (右)土砂吐きと堀川用水取水口
日本で唯一の総石張堰(傾斜堰床式石張堰)で江戸時代(1790年)にはほぼ現在の姿になったというその形が、水に逆らわず自然の中州に見えるようなしなやかさでとても魅力的でした。土砂吐き、中舟通し、南舟通しという3本の水のラインの設定もなんだかかっこいいです。
もう一つ山田堰を見たかった理由はアフガニスタンで凶弾に倒れた故中村哲医師が生涯をかけて取り組まれた現地での堰と用水路の建設の原型だという点でした。
山田堰を望む道路沿いの展望広場に中村医師の記念碑がありました。
福岡に生まれ九州大学で医学を学んだ中村医師が現地で山田堰の事を思い、最新式の堰ではなく現地の人たちが自分たちでメンテナンスをできる石張りの堰を採用した事はとても印象深いです。
山田堰の堀川用水取水口から堀川用水をたどり、三連水車も見て来ました。
(左)堀川用水取水口 (右)取入口から堀川用水へ
【朝倉の水車群】
菱野の三連水車。シーズン前なので羽根や柄杓は取り外されていました。それでも精巧な技術は十分想像できました。
三島の二連水車も。
山田堰、堀川用水路、水車群は一体となって地域に水を供給し続けその灌漑面積は660haを超えるとか。
(日本河川協会HPより)
国の史跡指定「堀川用水及び朝倉揚水車」:1990年(平成2年)
農林水産省「疏水百選」認定:2006年(平成18年)
国際かんがい排水委員会「かんがい施設遺産」に認定登録:2014年(平成26年)
素晴らしい景色が広がっていました。
【農産物】
灌漑されるJA筑前あさくらの地域では様々な農産物が。
お米は、ヒノヒカリ、元気つくし、夢つくしなど。大麦、小麦もお米同様県内JAでトップの生産量。
野菜は有名な「博多万能ねぎ」、刺身のツマに欠かせない紅だでが生産量日本一。果物も柿、いちじく(とよみつひめ)、なし、ももなど。
三連水車のレプリカのある「三連水車の里あさくら」でお昼に地元野菜たっぷりのスープカレーを頂きました。美味しかったです。そしておやつに水車もなかを。
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