円筒分水かわうそ探検隊

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糒井堰(ほしいせき)円形分水 (伊田地区円形分水器)(福岡県田川市)

英彦山からの水で田川・伊田地区を潤す円形分水

福岡県の田川市にある糒井堰(ほしいせき)円形分水に行きました。伊田地区円形分水器という名称記載が公文書にあるようです。

円形分水はそれなりに交通量のある川沿いの道路(県道455号/今任原伊田線)に面していて、神社の大きな駐車場横にあり隣は民家。

 

今は周囲に農地もなくちょっと深いのでサイズの割に目立たない感じです。でも水路を少し追ってみるとかなりの広範囲をカバーていると思います。

溢水したあと2方向に分水され、一つは彦山川に戻る模様。一方は伊田、糒、金田地区を潤してゆきます。

 

分水する誘導のラインの曲線がなかな優美。真ん中の波を押さえる輪が吹き上がる水の強さを想像させます。

 

円形分水横から彦山川をちょっと遡ったところに糒堰(ほしいせき)がみえます。

そのすぐ上流右岸に水門がしつらえてあり、そこから円形分水と接続しそうな水路が表に出ている所があるので、取水口はここかも。まだシーズンではないせいか水門は閉めてありました。

取水された水は円形分水横の堰を通ってすぐ深く落とされサイフォンで中心から湧き上がる設計と思われます。水が溢れてるのを見たいです。

 

丁度河原で雑草を刈るお仕事をされていた地元の方に円形分水の事を聞いてみたら、最初はなんだそれ?って感じでした。重ねて説明すると「あー、丸いやつね」とあまり意識されてないほど静かに生活に溶け込ん出る様子がうかがえました。

 

そうそう、糒堰には2匹の狛犬がいるのです。堰に狛犬がいるだけでも珍しいのですが、なんとこの2匹はシンガポールの「マーライオンと同じく噴水として口から水を出すのです。なのでニックネームが「ターライオン」!もちろん田川市の「タ」です。正式には「彦山川噴水モニュメント」というそうですが、ターライオンがかわいいと思います。

ちなみに放水は土日の11時から19時まで。日没から21時まではライトアップされるそうです。円形分水も水を吐き出すのは同じなので、ターライオンと一緒にアピールしてもらえないものでしょうか。

 

sasatto.jp

 

隣の神社は川の対岸の駅に近い風治(ふうじ)八幡宮の「川渡り神幸祭(じんこうさい)」の御旅所(おたびしょ)。

福岡の五大祭り一つの大きなお祭り(今年は5/20-21)です。

歴史は江戸時代永禄年間にさかのぼり、疫病流行の際に悪疫平癒を祈願して、疫病が収まった御礼に山笠(神輿・山車状の祭具)をつくり奉げたことから始まったのだと。コロナ終息4年ぶりの今年は盛り上がりそう。六十人舁きの大神輿がや五色のバレンで飾り立てた十台余の幟山笠が彦山川を渡るそうです。観たい!円形分水は毎年お祭りを見て来たのですね。

 

彦山川筑紫山地、福岡県と大分県の県境の北部九州最高峰の英彦山(ひこさん)(1,119m)を源流にする川。弁城ダムの円筒分水からの福智川、内ケ磯ダム(福智池)の円筒分水からの福地川もみんな彦山川にそそぐのですね。

下流で小石原あたりを源流とする遠賀川(おんががわ)と合流し響灘まで注ぎます。

小石原で大分県側に降った雨は小石原川から下渕円筒分水にそそぎ、大分宇佐の4つの円筒分水も佐賀の巨勢円筒分水も同じく筑紫山地からの水だと思うと、筑紫山地の恵みはすごいなあと思います。

 

そしてできるお米は夢つくし、つくしろまん、ひのひかり。野菜は夏秋ナス、ブロッコリー、夏秋ピーマン、ソラマメなどなど。いちごは「あまおう」。

 

今回は時間が無く訪問できませんでしたが駅の反対側の石炭記念公園も次回行きたいと思います。炭坑節のふるさと田川市


名称:糒井堰(ほしいせき)円形分水 / 伊田地区円形分水器
住所:福岡県田川市伊田
方式:全周溢流式
水源:彦山川。糒堰の上流約50mにある「糒用水樋管」からの取水と推定
用水:2分水。伊田、糒、金田地区
竣工:1947年(昭和22年)?
管理: 糒地区合同水利委員会(福岡県田川市大字糒672−1)

アクセス:JR日田彦山線 または平成筑豊鉄道伊田線 田川伊田

     国道201号飯塚庄内田バイパスや国道322号田川バイパスなどから

www.mnf21.com

JAたがわ / 田川農業協同組合

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