円筒分水かわうそ探検隊

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岩堂セギ分水口(山梨県甲府市)

甲府盆地を見下ろす高台のかわいい円筒分水

岩堂セギ分水口(塩山牛奥円筒分水庫)は山梨県が誇る唯一の円筒分水です。南アルプスを見渡せる塩山の高台にある円筒分水から甲府盆地を見下ろすとその扇状地の恵みを感じる事が出来て気持ちが良いです。

ちょうど2022年(令和4年)7月に国連食糧農業機関(FAO)「峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム」が世界農業遺産に認定されました。

扇状地の傾斜地で土壌や地形、気象等に応じた、ブドウやモモなどの果樹の適地適作が古くから行われ、独自のブドウの棚式栽培が開発され、現在まで継承されているという点が認定理由だそうです。素晴らしいですね。

そんな甲府盆地の塩山地域は水の分配で争いがよくおこっていましたが、

1927年(昭和2年)に円筒分水の完成で水争いは収まったとの事。

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水は3方向に分水されています。1本は西側の前田集落へ、2本は北側の牛奥・西野原地区へと流れます。

ぶどうやもも畑に水が送られています。果樹園で頂いたもぎたての果物は最高に美味しかったです。

歴史
1839年天保10)年7月に牛奥と西野原の間で岩堂での水の分配に争いがあったとか(まだ円筒分水はない)1906年明治39年)日には西野原が「分水桝改設御願」を村長宛に提出、多分その後も色々ありながら17年後の1923年(大正12年)に利害関係者が集まり、分水桝の改築方法や費用分担と分水比率を含む、横堰修繕岩堂分水桝改築委員会設立(この委員会が後の牛奥西ノ原耕地整理組合へ発展している?)を決議しているとのこと。最終的に1927年(昭和2年)に円筒分水は完成した。

データ
名称:岩堂セギ分水口
住所:山梨県甲州市塩山牛奥上ノ段1520地先他
方式:溢流式、鉄筋コンクリート造、面積9.6㎡
水源:JR中央本線直下の鬢櫛川で取水
用水:3三等分され、中牛奥(字前田)・西野原・甲戸(かぶと)へ配水されている。
竣工:1927年(昭和2年)
設計:県庁の技師
管理:甲州市所有、花園区管理

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