バランスの美しい扇形分水
羽北1号乙から南に歩くと遭遇するとても美しい扇形の分水。小さなものを入れて15のオリフィス孔から北、東、南の3方向(多分7+2+6の比率)で水を分けています。
水路を追ってみると、すぐ南にある沢3号を超えて南に延びている感じのする水路もあり、北大出地区の南側を広く担当している模様です。沢3号はもっと東に直行しているように見えました。
羽北2号と沢3号はまとめて一つの形で設置されず、とても近くに2つ設置する形を取って役目の地域も国道153号(三州街道/伊那街道)を挟む東西別々(北大出と沢)と分けて設置しているのがとても面白いです。
羽北1号乙も三州街道より東は支線(第二)が分配する形。ここ以南も同様の形がありますが、これは扇状地特有の水持ち(保水性)の悪さから、水源から各地区にダイレクトに水を送り、そこで分配する方式を採ったのかも、とか妄想するのは楽しいです。
いずれにしても先人の色々な知恵と経験、歴史が積み重なっている円筒分水にわくわくします。
データ
名称:西天竜用水路 羽北2号
住所:長野県上伊那郡辰野町伊那富
方式:オリフィス式、扇形
水源:西天竜用水路
用水:3方向分水。北大出地区
竣工:1935年(昭和10年)~1940年(昭和15年)?
管理: 上伊那郡西天竜土地改良区
登録:西天竜幹線水路円筒分水工群全体で土木学会推奨土木遺産(2006年/平成18年度)