円筒分水かわうそ探検隊

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東山円筒分水槽(富山県魚津市)

その向こうに広がる景色が最高な美しい円筒分水

富山湾から能登半島まで見渡せ、目前に水田風景が広がるこの東山分水槽は撮影スポットとしても有名ですね。特に片貝川からの豊富な水量が楽しめる5-7月は水面から落差を持って落ちる水の迫力と煌めきが魅力的です。

急流日本一の片貝川の水利に苦労、水争いの解決に作られた

水源の片貝川は平均河床勾配1/12(8.5%)!という急流で、降れば洪水、夏は水枯れという中で水争いが絶えず、水の取り入れ口を一本化し、かつこの東山と貝田新の2つの円筒分水槽を設置して治水と公平な水分配が完成したというものです。完成してからもう65年以上!すごい働き者でもあります。

片貝川の右岸を潤してます

天神野用水、東山用水、青柳用水の3つの用水を通じて魚津のお米をしっかり育てています。

歴史

毛勝三山(けかちさんざん)(毛勝山(2,415m)、釜谷山(2,415m)、猫又山(2,378m))の渓流と大雪渓を源とする片貝川は、日本一の急流河川として有名。なんと平均河床勾配1/12(8.5%)!大伴家持も「可多加比(かたかひ)の川の瀬清く行く水の絶ゆることなくあり通ひ見む」と詠んだほど。

その為流域は豪雨時には水害、夏期には深刻な水不足に悩まされ、水争いが絶えませんでした。そんな水争いの解決のため、取水口を一ヶ所にまとめ、1938年(昭和13年)に黒谷地区に黒谷頭首工を設置、戦争による工事中断を経て戦後1950年(昭和25年)から5年をかけ、左岸には貝田新円筒分水槽、右岸には東山円筒分水槽を作り、片貝川の川底にヒューム管を埋めてサイフォンの原理で川とクロスし2つの分水槽をつないてこれらの農業水利施設を完成させました。

その後1987年(昭和62年)から1999年(平成11年)まで13年間をかけて「片貝川沿岸県営かんがい排水事業」を実施。トンネルになっている片貝第1発電所〜片貝谷発電所間の部分改修、川底のヒューム管を深く埋め直す工事、天神野用水路・経田用水路の改修などを約25億円の費用をかけて行なわれました。

データ
名称:東山円筒分水槽
住所:富山県魚津市東山
方式:全周溢流式。直径9.12m、高さ2.8m
水源:片貝川左岸から水路トンネル
用水:天神野用水、東山用水、青柳用水
竣工:1955年(昭和30年)
管理:魚津市土地改良区

登録:国の登録有形文化財(建造物)に登録(2020/4/3)
魚津市「水循環遺産」に登録

リンク:富山県観光公式サイト

www.info-toyama.com

魚津市観光協会公式サイト

uozu-kanko.jp


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