円筒分水かわうそ探検隊

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鷽ノ口(うそのくち)円形分水(長野県南佐久郡)

水量豊富、オリフィス孔がたくさんでかっこいい円筒分水

訪問は5月初旬。道を間違え偶然にも上から眺めることになった鷽の口円形分水は背景の景色とのコントラストが素晴らしかったです。2,000m級の山にはまだ雪がかぶっている時期で水量も豊富でした。

オリフィス式で流し、47孔を上村28、佐口13、小山6の3地区に分水。

ゴミ取り装置もあり、改修から50年を経てもしっかりとメンテされ大事に使われているのが分かりました。

 

分水は3方向

写真上方が石堂川の取水堰からの水。一旦低く落として分水の真ん中に吹き上げています。

円筒分水から吹きあがった水は。写真左斜め上に見える小山、佐口と、写真手前の用水口の3つの水路に分水されます。

手前が酒口用水への口。右奥は山の下のトンネルを通って上村に向かう用水。これで江戸時代からしばしば起こった水争いの解決したのでした。当時は稲作の田んぼへの用水でしたが、現在はそれだけでなく様々な作物の栽培に寄与しています。

標高800mの高冷地にある長野県佐久穂町は、日本有数の晴天率という気候の良いところ。雨量が少なく朝晩の寒暖差により、旨味の濃い野菜、実のしまった果実、花色の良い花卉などが生産されています。果実はプルーンが有名。7月下旬から10月中旬まで20品種以上が栽培され、時期によって様々なプルーンが楽しめます。

また信州ひすいそばも有名。9月には白い花が咲き、10月末に収穫を迎えます。色鮮やかで香り高いことが最大の特徴です。

 

取水

水源は石堂川の水を上流1.2km 標高1,040mあたりから引き込んで30mくら低いこの円筒分水まで引いてきています。

歴史

詳細が書かれた説明の看板がありました。

データ

住所:長野県南佐久郡佐久穂町鷽の口
方式:オリフィス式、スリット47孔
サイズ等:鉄筋コンクリート製 直径6m、深さ1.2m

取水:石堂川

用水:上村28、佐口13、小山6の3地区に分水
竣工:1953年(昭和28年)1965年(昭和40年)に改修、除塵機設置

除塵機(山梨県笛吹市の飯田鉄工株式会社製。背面降下前面掻揚式。ベルトコンベアは兵庫県明石市の日工株式会社製。色々な所から来た装置が健在です。
その他:高橋橋の少し先に中部電力大岳川水力発電所あり。信濃川水系45か所の内の一つ。1926年2月設立で600kwの小ぶりの発電所石堂川を遡って名前が大岳川の標高1238mの地点から取水し、発電所南の山1217m地点までゆっくり落として来て、1051mの発電所まで一挙に落とし発電しています。

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