円筒分水かわうそ探検隊

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沢3号(長野県上伊那郡 西天竜幹線水路円筒分水工群)

沢地区に水を送る円筒分水

羽北2号からすぐ南の十字路の角にあります。少し前の写真ではかなり老朽化した感じでしたが補修された模様。かなり円が太くなっているので、従来のものの上から重ねる形の補修なのかもしれません。

この沢3号、円筒の西側に15、東に11のオリフィス孔がありますが、西側は見える水路がなく水がどこに行っているかよくわかりません暗渠に直接入っているのでしょうか。東側はまっすぐ東に延びています。

地図を見ると真っすぐ東で中央高速道路の伊北インターチェンジの入り口にぶつかります。その近辺は工場地帯。インターの物流機能の良さを中心に発達したのですね。

中央道と国道153号の間にはIHI、河口工業、フジ精密工業、扶桑科学、東日本トランス、小野製作所、トリネックス、丸共ユニオン、花岡光学、ミスズ工業、日進ウエルディング…とたくさん。中央道の東側には長野オリンパスの本社、明和工業長野工場も。

でも円筒分水が出来た頃昭和10年代は中央道もなく、この現在の辰野町羽場南から箕輪町沢の地区は一面のたんぼ。伊北インターチェンジが開通したのは1976年(昭和51年)ですが国土地理院の昔の地図で確認してみました。

 

1961年~69年の地図にはインターはまだ無し。沢3号らしいものが写ってます。そして西天竜用水路の東、現在の羽場、北大出、沢、伊那富はきれいに区画整理されたたんぼです。

 

それが1974年~78年の写真になると、伊北インターが登場!それでもまだまだ工場は少なくたんぼが沢山。

 

1974年~78年写真では羽北2号ははっきり確認できませんが、2013年の写真では現在同様で、この地区は羽北2号、沢3号がカバーしているように見えます。

 

現状では沢3号から東に延びる水路は、途中の北大出地区に用水せず(そちらは羽北2号にまかせて)道路の下を通し、国道153号(三州街道/伊那街道)より東に用水する形に見えます。

伊北インター入口の交差点の東には用水の出口がありそこから二分して用水が流れていきます。昔は沢3号がカバーしていた地域は26ヘクタールあったそうですが、現在羽場南地区、沢地区のたんぼが大幅減った現在、どこまでどう用水しているか、また歩いて確認する楽しみが増えました。分水の西側の用水の行先も気になります。

 

羽北1号乙と支線1との関係のように、インターが出来る前までは現在の用水の出口あたりに円筒分水があったのでは?とか妄想は尽きません。

沢3号は昔は羽北3号という名前が記載がされている資料もあり、名前の変更も興味深いです。

データ
名称:西天竜用水路 沢3号
住所:長野県上伊那郡辰野町
方式:オリフィス式、円形
水源:西天竜用水路
用水:2方向分水。沢地区
竣工:1935年(昭和10年)~1940年(昭和15年)?
管理: 上伊那郡西天竜土地改良区

登録:西天竜幹線水路円筒分水工群全体で土木学会推奨土木遺産(2006年/平成18年度)

 

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